外来のご案内

手外科 代表的な疾患

 

橈骨遠位端骨折

前腕には橈骨と尺骨の2本の骨があります。転倒し手をついた際など、橈骨の中で手首に近い部位(遠位端)が骨折するこが多くあります。

中年以降の女性の方で骨粗鬆症などにより骨が脆弱になっているのも要因の一つです。

写真1

写真2

(日本手外科学会 手外科シリーズ 13.橈骨遠位端骨折 から引用)

 

整復することで元の形に近い状態に戻すことができれば、ギプスで治療します。

元の形に戻すのが困難であったり、ギプス途中でずれてしまう場合は手術で治療します。

当院での手術の際の麻酔は、通常脇の下の注射で行い、片腕ほぼ全体にかけます。

起きたままの手術で、また足には影響しないので、日帰りまたは一泊入院で行いますが、希望に応じて、全身麻酔でも可能です。

手術は主に手首掌側(手のひら側)の5cm程度の切開からプレートによる固定術を行います。術後は、骨折型や固定性に応じて、なるべく早期より動かすリハビリを開始します。

当院では作業療法士による外来通院リハビリも行っています。

写真3

(日本手外科学会 手外科シリーズ 13.橈骨遠位端骨折 から引用)

 

手根管症候群

神経が手首にある手根管というトンネルに圧迫されることにより、母指から環指(薬指)がしびれる状態です。

環指の半分(母指側)のみしびれるというのも手根管症候群の特徴です。

病態が進行すると、母指の付け根(母指球)がやせてきて、ボタンかけや箸などが困難になってきます。

写真4

(日本手外科学会 手外科シリーズ 1.手根管症候群 から引用)

 

症状が軽度の場合は、装具や注射などで治癒することもありますが、症状が進んだ場合、手術が必要です。

当院では主に局所麻酔、日帰り手術で行っています。手掌部(手のひら)の2.5cm程度の切開から手根管を広げる手術(手根管開放術)を行っています。

写真5

(日本手外科学会 手外科シリーズ 1.手根管症候群 から引用)

 

ばね指

指は腱で引っ張られることにより曲がりますが、その際に腱が浮き上がらないように抑えているトンネルを腱鞘と言います。

写真6

(日本手外科学会 手外科シリーズ 3.ばね指(弾発指) から引用)

 

腱鞘と腱の間で通過障害がおこると、痛みや腫れを起こし(腱鞘炎)、これが進行すると動かす際にカクカクとなるばね指になります。

写真7

(日本手外科学会 手外科シリーズ 3.ばね指(弾発指) から引用)

原因は明らかではありませんが、更年期の女性や、妊娠・産後の女性、また糖尿病の既往がある方に多く発症します。

注射やストレッチなどの保存治療で、多くの方が軽快します。

これらで軽快しない場合は手術で治療します。手掌部(手のひら)の1cm程度の切開から、引っかかっている部位のみの腱鞘を広げます(腱鞘切開術)。

その他、病状に応じて針孔だけの手術(経皮的腱鞘切開術)も行っています。

いずれも局所麻酔、日帰り手術で行います。

 

写真1(日本手外科学会 手外科シリーズ 3.ばね指(弾発指) から引用)

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